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大阪大学 大学院工学研究科
     電気電子情報通信工学専攻 情報通信工学部門

Research研究内容

通信トラヒック工学、待ち行列理論

 
  急速に開発が進む高速・高品質伝送媒体の潜在的能力を十分に引き出し、多種多様な通信サービスを円滑に通信ネットワークへ収容するための通信ネットワークの制御法ならびに設計法の確立を目指すのが通信トラヒック工学です。

  具体的には、ネットワーク設計/制御のための基礎理論である通信トラヒック理論、通信トラヒック計測技術、各種トラヒックのモデル化手法と通信ネットワークの性能評価手法、ならびに統合型マルチサービス有線・無線ネットワークにおける通信サービス品質保証法や輻輳制御法など中間レイヤの研究が中心となります。

研究テーマの概要


 通信ネットワークにおける混雑は輻輳(ふくそう)と呼ばれます。通信ネットワークの輻輳現象 を理解し、快適でかつ経済的なネットワークを構築を目指して下記のような研究を行っています。

1. 通信トラヒック理論に関する研究

 
 通信トラヒック理論の目的は、通信トラヒックの性質と輻輳現象との間の関係を確率モデルを通 じて究明し、輻輳現象を定量的に評価することです。インターネットでは、テキスト情報(電子メ ールやwebページ等)、静止画、動画、音声等、様々な情報が同じネットワークを使って伝送され ています。これらの通信サービスから生成される通信トラヒックは、通信サービス毎に異なる性質 を持つことが知られています。また、実際に観測される通信トラヒックはこれらが混ざったものと なり、非常に多様な性質を持つことになります。このため、通信トラヒックがもつ多様な確率的性 質を表現可能な通信トラヒックの数学モデルの構築と、そのモデルに対する解析手法の確立が主な テーマとなります。特に、通信トラヒックに典型的に見られる強い相関をもつ情報流のモデル化と その解析手法に関して多くの研究を行っています。

2. 通信トラヒック計測ならびにネットワーク輻輳状況の計測・分析技術に関する研究

 
 通信ネットワークの管理者にとって、運用している通信ネットワークがどのように動作している かを知ることは極めて重要です。一方で、通信ネットワーク、特にインターネットは地理的に広く 分散しており、また、多数の管理者が異なる通信ネットワークの結合体であるため、興味がある全 ての地点で計測を行うことは出来ません。また、基幹回線ネットワーク部分では大量の情報がやり とりされるため、これら全てを逐一監視することにも多大な困難があります。そこで、目的に合わ せた効率的な通信トラヒック計測技術ならびに通信ネットワークの周辺部における計測結果から通 信ネットワーク内部における輻輳状況の推定技術など、確率的・統計的技法を援用して、効果的か つ効率的な通信ネットワーク計測・分析技術の開発を行っています。

3. 各種トラヒックのモデル化手法と通信ネットワークの性能評価手法に関する研究に関する研究

 
 通信ネットワークを流れる情報流は様々な通信サービス(アプリケーション)から生成されたも のであり、個々のアプリケーションから生成される通信トラヒックはそれぞれ固有の性質をもって います。インターネットでは、現在のところ、ホームページ閲覧に伴うトラヒックが最も多いので すが、最近、P2Pによる通信トラヒックが急激に増加してきています。近い将来、通信ネットワ ークの輻輳状況を予測し、また、その輻輳状況を回避するためにどのような設備投資をすればよい かということを知るためには、個々のアプリケーション毎の通信トラヒックの性質の把握ならびに そのモデル化を通じて、想定される将来の通信ネットワークの輻輳状況の推定が欠かせません。こ のような状況に対応するため様々な通信トラヒックのモデル化手法、ならびにそれらが通信ネット ワークに与える影響を定量的に評価するための性能評価手法の研究を行っています。

4. 統合型マルチサービス網における通信サービス品質保証法に関する研究

 
 従来の通信ネットワークは音声用、データ用といったように、伝送する情報の種類が限定された ものが主でしたが、技術の進歩と共に、多種多様な情報を一つの通信ネットワークを介して伝送す るようになってきました。これを統合型マルチサービス網といいます。統合型マルチサービス網で は、伝送される情報の種類によって、要求される通信サービス品質に違いがあります。例えば、音 声ですと、途切れることなく音声が伝送されるという、実時間制約がまず問題になります。一方、 データですと情報が正確に伝送されることが最も重要となります。そのため、音声とデータでは異 なる通信手続きによって情報伝送がなされています。通信ネットワークにおいて輻輳が生じた場 合、これら多様な情報をそれぞれが要求している通信サービス品質を満足することが出来るよう に、伝送順序等の制御を行う必要があり、これを通信サービス品質保証と言います。そこで、様々 な情報をそれらが要求する通信サービス品質を保ちながら円滑に伝送するための通信ネットワーク の制御技術に関する研究を行っています。


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