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通信ネットワークにおける混雑は輻輳(ふくそう)と呼ばれます。通信
ネットワークの輻輳現象を理解し、快適でかつ経済的なネットワークを構築を
目指して下記のような研究を行っています。
1. 通信トラヒック理論に関する研究
通信トラヒック理論の目的は、通信トラヒックの性質と輻輳現象との間
の関係を確率モデルを通じて究明し、輻輳現象を定量的に評価することです。
インターネットでは、テキスト情報(電子メールやwebページ等)、静止画、
動画、音声等、様々な情報が同じネットワークを使って伝送されています。こ
れらの通信サービスから生成される通信トラヒックは、通信サービス毎に異な
る性質を持つことが知られています。また、実際に観測される通信トラヒック
はこれらが混ざったものとなり、非常に多様な性質を持つことになります。こ
のため、通信トラヒックがもつ多様な確率的性質を表現可能な通信トラヒック
の数学モデルの構築と、そのモデルに対する解析手法の確立が主なテーマとな
ります。特に、通信トラヒックに典型的に見られる強い相関をもつ情報流のモ
デル化とその解析手法に関して多くの研究を行っています。
2. 通信トラヒック計測ならびにネットワーク輻輳状況の計測・分析技術
に関する研究
通信ネットワークの管理者にとって、運用している通信ネットワークが
どのように動作しているかを知ることは極めて重要です。一方で、通信ネット
ワーク、特にインターネットは地理的に広く分散しており、また、多数の管理
者が異なる通信ネットワークの結合体であるため、興味がある全ての地点で計
測を行うことは出来ません。また、基幹回線ネットワーク部分では大量の情報
がやりとりされるため、これら全てを逐一監視することにも多大な困難があり
ます。そこで、目的に合わせた効率的な通信トラヒック計測技術ならびに通信
ネットワークの周辺部における計測結果から通信ネットワーク内部における輻
輳状況の推定技術など、確率的・統計的技法を援用して、効果的かつ効率的な
通信ネットワーク計測・分析技術の開発を行っています。
3. 各種トラヒックのモデル化手法と通信ネットワークの性能評価手法に関する研究
に関する研究
通信ネットワークを流れる情報流は様々な通信サービス(アプリケーショ
ン)から生成されたものであり、個々のアプリケーションから生成される通信
トラヒックはそれぞれ固有の性質をもっています。インターネットでは、現在
のところ、ホームページ閲覧に伴うトラヒックが最も多いのですが、最近、P
2Pによる通信トラヒックが急激に増加してきています。近い将来、通信ネッ
トワークの輻輳状況を予測し、また、その輻輳状況を回避するためにどのよう
な設備投資をすればよいかということを知るためには、個々のアプリケーショ
ン毎の通信トラヒックの性質の把握ならびにそのモデル化を通じて、想定され
る将来の通信ネットワークの輻輳状況の推定が欠かせません。このような状況
に対応するため様々な通信トラヒックのモデル化手法、ならびにそれらが通信
ネットワークに与える影響を定量的に評価するための性能評価手法の研究を行っ
ています。
4. 統合型マルチサービス網における通信サービス品質保証法に関する研究
従来の通信ネットワークは音声用、データ用といったように、伝送する
情報の種類が限定されたものが主でしたが、技術の進歩と共に、多種多様な情
報を一つの通信ネットワークを介して伝送するようになってきました。これを
統合型マルチサービス網といいます。統合型マルチサービス網では、伝送され
る情報の種類によって、要求される通信サービス品質に違いがあります。例え
ば、音声ですと、途切れることなく音声が伝送されるという、実時間制約がま
ず問題になります。一方、データですと情報が正確に伝送されることが最も重
要となります。そのため、音声とデータでは異なる通信手続きによって情報伝
送がなされています。通信ネットワークにおいて輻輳が生じた場合、これら多
様な情報をそれぞれが要求している通信サービス品質を満足することが出来る
ように、伝送順序等の制御を行う必要があり、これを通信サービス品質保証と
言います。そこで、様々な情報をそれらが要求する通信サービス品質を保ちな
がら円滑に伝送するための通信ネットワークの制御技術に関する研究を行って
います。
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